読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

嫌々爺日記

日頃の愚痴か、エンタメ作品の感想か……

日本に愛国者は存在するのか?

日本が好きか嫌いかと問われれば、僕は好きだと答える。日本人や日本社会に多く見られる慣習の中には嫌いなものもたくさんあるが、総合的に考えれば、僕は日本が好きである。

だが、日本人による日本礼讃は嫌いである。端的に言って、気持ち悪いのだ。

 

一つ目の気持ち悪いポイントは、「日本は世界中からめちゃくちゃ愛されている」という主張だ。

「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」という本がある。皇族芸人・竹田恒泰氏の著作なのだが、このタイトルを馬鹿馬鹿しいと思わないのだろうか? まあ、思わないのだろう。Amazonレビューでこの本に星5つを与えている人の数は、2017年2月9日木曜日時点で、162人中85人である。なかなかの高評価だ。「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」などという驕ったことを言わないのが日本人の美徳だと僕は思っていたのだが、どうやら違うようだ。

テレビでもやたらと日本に対する海外人気を喧伝する番組があるが、やはり気持ち悪い。曰く、「海外で認められる日本技術!」「海外で愛される日本人!」

外国人に認められなければ死ぬのだろうか。外国人に認められることが、日本人として誇らしいのだろうか。「外国人に褒められて嬉しい」くらいの温度なら別に文句はない。ただ、「外国人に認められている! 海外から愛されている! 日本ってやっぱスゲェッ!」と大喜びしているのが、馬鹿馬鹿しいのだ。この前など、「人種差別が酷かった昔も、日本人は名誉白人と認められていたからな!」と誇らしげに語っているネットの書き込みを見て、一人で大笑いしてしまった。

どれだけ外国人に認められたいのだ。どれだけ承認欲求が強いのだ。どれだけ海外(特に白人)コンプレックスが強いのだ。どれだけ自分に自信がないのだ。どれだけ、本当の意味での日本人としての誇りを失っているのだ。

言いたかないが、このままではいつまで経っても、日本は所詮アメリカの犬っころのままだろう。まあ、それもいいかもしれない。首輪に繋がれて適度に走り回り、時折頭をくしゃくしゃっと撫でてもらって大喜びする、というのが日本人には合っているのかもしれない。

 

さて、気持ち悪いポイント二つ目は、「日本人の民度は高い」という幻想である。

そんな訳ねえだろ! 低いよ! と叫びたくなってしまう。韓国、中国を筆頭に諸外国の民度の低さを持ち出して「こんな国々とは違って日本人の民度は高い」と結論付ける人を見かけるが、日本人の民度はそれらの国よりはマシだというだけで、決して高い訳ではない。天皇陛下の顔写真を踏みつけ、燃やし、ワイワイ燥いでいる韓国人デモ隊の映像を見て「やっぱチョンはゴミだなwww 日本人とは大違いだわww やっぱこいつらにはうんこがお似合いwww」というコメントをしている連中は、自分がどちらかと言えば画面に映る「チョン」に近い人種であることを理解していないのだろうか。何故、彼らにしろネトウヨにしろ「鶴橋大虐殺デモ」の馬鹿共(ご存知なければ検索を)にしろ、自分のことを「民度の高い日本人の一員にして代表」だと思えるのだろうか。

 

先ほども紹介した竹田氏は、以前大阪の番組で、VTRに登場した韓国人の韓国語について「あの人、コレハヨクキレルハサミダ、って言ってましたよね?www」という趣旨の発言をしていた。勿論VTR中にその韓国人はそんなこと言っていないし、日本語字幕はちゃんと出ていた。ただ、韓国語の言葉の響きを揶揄うためだけの発言である。

「外国語って面白い日本語に聞こえるときあるよね」という、空耳アワーの面白さは無論理解できるが、あの竹田氏の発言はそんな可愛い意図ではなく、明らかに韓国語を小馬鹿にしたような言い方だったのだ。

同番組で俳優の津川雅彦氏は、「保育園落ちた。日本死ね」というブログを書いた人に対して、「書いた人間が死ねばいいよ」と発言し、司会の辛坊治郎氏をはじめスタジオは大ウケであった。驚くべきことに、この番組は生放送ではない。さらに驚くべきことに、この番組は大阪ではかなりの人気を誇っている。

いちいち記さないが、日本人の民度の低さを物語る例は他にも山ほどある。 それらに目を瞑り、「日本人の民度は高い」と誇らしげに語るある種の盲人を見ると、僕はつくづく疑問を感じる。

 

今、この国に果たしてどれだけの数「愛国者」がいるのだろうか。政権与党を批判しただけで、右翼思想を持つ小説家の言動を批判しただけで、脱原発を唱えただけで、「反日売国奴」というレッテルを貼ってくる人々は大勢いる。「クソ韓国、クソ中国と国交断絶を! チョンは死ね! シナ人も死ね! 劣等劣等!日本人は優れている! 日本最高! 俺は日本を愛してる!」と唱える人々も大勢いる。

彼らのTwitterのプロフィールには「日本を愛する」と記され、日本国旗がアイコンに設定されているが、果たして彼らは「愛国者」なのだろうか。

僕には、「自分に自信がなく、つまらない人生を送り、その憂さ晴らしと現実逃避のため他国を馬鹿にし、日本人であることだけをどうにか心の拠り所として生き長らえる可哀想な人々」にしか見えない。僕は彼らを「愛国者」と呼びたくはない。彼らは決して、日本を愛してはいない。